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第5章:"初めてのディナー"

澤田が案内したのはお台場にあるホテルの最上階の日本料亭であった。先ほど 車から携帯で予約していたらしく、窓際の素晴らしい夜景が見える席が2人の 為に用意されていた… "綺麗…・・" あゆみは声が出なかった…・それほどまでにそこから見える夜景は…・素晴ら しかった…・ 澤田とあゆみは、食事の間色んな話をした。最初緊張していたあゆみも、いつ しか澤田の暖かい会話と優しさ、誠実さに徐々に気持ちが楽になり、そのうち 笑ったり、ちょっとすねてみたり、はしゃいでみたり…どんどん澤田の魅力に 引きこまれていった。 澤田も、何か仕事の疲れが全て吹き飛んで…又、先週の彼女とのつらい別れも 忘れられるような、そんな気持ちであゆみとの時間を満喫していた…・ ”本当に楽しくて…綺麗で…明るくて…・いい人だ、あゆみさん…・それと、 格好とは違って変に女を強調させない…中性的な魅力を持っていて…・こんな 人がずっと僕のそばにいてくれたら…・幸せだろうな…" この時澤田にはまだ彼があゆみに感じていた"中性的魅力"の意味についてその 理由が分からなかった…・一方、あゆみも…・自分の気持ち、そう自分は男性 を好きにはならないはずという例の方程式とは逆に…どんどん澤田に引かれて いく自分に…・戸惑いを覚えていた… ”ああ…・私、おかしいわ…・何か変…・女性のあゆみがどんどん男性の澤田 さんを好きになっていっているみたい…・このまま澤田さんにキスとかされて …優しく抱かれたい…いや、そんな変な事考えて…だめ・・だめ…" そんなお互いの気持ちを胸に秘めたまま2人はそのホテルのバーに移って…・ お互いの、2人だけの時を楽しんでいた…・ あゆみもさっきの不安な気持ちをすっかり忘れたかのように、澤田との2人き りのデートを楽しんだ…・その時だった・・・ 「すみません、ちょっとおトイレに…・」 あゆみがトイレに行こうとバーカウンターの高い椅子から降りようとした時、 少し酒に酔っていた事もあり、足を踏み外し、下に跪いてしまった…・そして… その拍子にハンドバッグの中身が床に飛び散ってしまった…・ 「きゃっ・・」 「あっ、あゆみさん大丈夫ですか?」 澤田はすぐに椅子から降りると彼女を起こし、床に散らばったハンドバッグの 中身を拾い上げた…だが、そこで、澤田は1枚の免許証を手にする…・ "ん?…・水島○○○、誰だこれ…・?…・まさか…・・" ハンドバッグを落した拍子に、あゆみの財布の奥にしまっておいた…男性とし ての免許証が財布から飛び出てしまったのだ…・彼女の頭は真っ白になった… "う…そ…・・" あゆみはとにかく澤田に礼だけを言うとその免許証を奪い取って、トイレの方 に逃げ込むように走っていった…・トイレで彼女は…・・ ”うそ…何で…・・どうして…・せっかくうまくいっていたのに…・もうだめ、 もうおしまいね…・きっと澤田さんあきれてるわ…いや、たぶんもう怒って… ・・しょうがないわ…・結局嘘をついていた罰があたったのね…・" あゆみの目から大粒の涙が可愛い頬を伝って流れ落ちた…・ 一方、澤田は…・ "信じられない…・あゆみさんが…・男性だったなんて…・信じられない…… でも、何なんだろうこの気持ち…・ちっとも嘘をついていたあゆみさんに対し て怒りも失望も沸いてこない…・むしろ、いいじゃないか、男性だって、あん なに素晴らしい女性なら…・そんな気持ちしか生まれてこない…・こんなの初 めてだ…・今まで男性同士なんて鳥肌が立つほど嫌悪していたのに…・あゆみ さんは別だって思える…・・" 澤田の中に今までの人生では考えられなかった何か大きな変化が生まれようと していた…・ 一方、取り合えずトイレで気を落ち着けたあゆみは…・ ”とにかくお食事までご馳走になって、こんなに色々楽しませてくれた澤田さ んに対してこのまま何も言わずに失礼はできない…・席に戻って、きちっとお 詫びをして…・一人でタクシーで帰れば…" あゆみは、勇気を持って澤田のいる席に戻ると…・ 「澤田さん…・本当に…本当に申し訳ありません。私、嘘をつくつもり無かっ たんですけど…澤田さんに声を掛けられてから…言うチャンスが無くて…ごめ んなさい…」 また彼女の目から…涙が…・ 澤田はその涙を見るや、 「あゆみさん…僕もちょっと驚いたけど…でも、そんな事どうでもいい事です、 どうか気にしないで…僕はここにいるあゆみさん、今の貴方が好きなんだから… 逆に本当のあゆみさんを知れて…・僕は幸せですよ…さあ、泣かないで、涙を ふいてください…」 澤田は自分のハンカチをそっとバーテンダーに気づかれないように彼女に手渡 した… "うそ…・澤田さん今何て言ったの…・?…・確かまだあゆみの事好きとか…・ 信じられない…・私が男性だと分かっても…?…・" 「さあ涙をふいてもっと2人の時間を楽しみましょう、何か飲み物を頼んで」 「ほ、本当に…・私…このままここにいて…・いいんですか…・?」 「もちろんだよ、いや、居てもらわなければ困る…ずっと一緒にいたいんだ…」 「澤田さん…・・」 「あゆみさん、澤田じゃなく名前を呼んで構わないよ、暁(あきら)と…・」 「はい…・暁さん…・・ありがとう…・」 この出来事によって…・2人の間に…・さらに深い結びつき…何かが生まれは じめていた…・


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