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第2章:"東京への小旅行"

前章でも述べたが、すでに"水島あゆみ"は彼女の想像をはるかに越える・・・ 完璧な女性であった、いや女性に変身できたと言った方が正しいだろう。街に 出ても100人中 100人の人間は彼女を男性とは気づかないだろう。いや、逆に、その美しさ に羨望の眼差しを彼女に向けるのは明らかだった。しかし、今まであゆみは、 女装姿で外出した事は一度も無かった。東京などの大都会とは違いN市は地方 都市、そんな格好で外出したらいくら女装して顔を変えてはいても、マンショ ンの出入りの時にでも必ず誰かに見られ…彼の男性としての生活に支障が生じ てしまうと心配していたからである。しかし彼女自身も、もう長い間一人きり で部屋で変身し、鏡で自分の姿を見て、時にはカメラに撮り、さまざまな角度 から男性としての自分が客観的にもう一人の自分、"あゆみ"を観察してきた結 果、絶対に男性とは見破られない、街へ出ても平気なはず…という自身を密か に抱いていた。彼女にとっても、もう孤独な世界での、一人だけでの変身は限 界に来ていた。誰かに見つめられたい、美しいあゆみを見てほしい…そんな気 持ちが日を追って募っていったのであった。 そんな時彼女はある決心をした…・仕事も一段落したので土曜日、日曜日をか らめて週末に4連休の休みがとれたのである。彼女は一人での東京への小旅行 を計画していた。 それも男性としてではなく、女性の"水島あゆみ"として、である。そして東京 のお洒落なホテルにあゆみとして滞在して、銀座、六本木などでショッピング、 食事を楽しみ、今までずっと胸につかえていた何か…そう、あゆみでの生活を 満喫する事を計画したのである。 そして、もしその間に素敵な男性に出会えたら…・そんな事もちょっと考えて は一人顔を赤らめる彼女であった… ”何かドキドキ…でも楽しみ…・一切男性の物は持っていかないで、その4日 間はずーっとあゆみで過ごすの…女性として色んなお店を覗いて…・夜は素敵 なレストラン、バーでお食事…でも一人だとちょっと寂しいかも…その前に誰 かにナンパでもされたりして…そうしたらただでお食事できるし…きゃっ、で も恥かしい…" 彼女の計画はこうだった。 もちろん家は普段外出する程度の格好で出なければならない。だから、女性の ブラウス、下はジーパンなどのいつもの服装で外出して…・ちょっと高いがほ んの一時の贅沢という事で新幹線の個室を予約して、その中で着替え、化粧を して…・東京駅では"あゆみ"になって降りる、帰りもまた新幹線に乗るまでは "あゆみ"、個室で変身してN駅では男性として下車する。こうすれば最も長い間 あゆみでいられる訳である。 いよいよ当日、木曜日の朝が来た。幸い3月だというのに4月下旬の陽気であ り、男性として軽装での外出が可能であった。彼女にとってはなるべく男性と しての荷物は少なくしたかったので最高の条件に恵まれたわけである。 彼女はスーツケースに、今まで長い間かけて集めた物、その中でも特にお気に 入りの "あゆみ"の全てを詰め込むと、駅に向って家を後にした。 上りの新幹線が定刻通りホームに滑り込んできた。彼女は個室に入ると車掌の 検札まで変身を待った。車掌の検札が済むと彼女はカーテンを引いて、鍵をか けて…変身を始めた。ジーパン、ブラウスを脱いで…・まず下着、今日の為に 用意しておいた、お気に入りのカルバンクラインのシルクのショーツとパンテ ィストッキングを身につける、ショーツとおそろいのブラを着けて…・女性と しての綺麗なラインを強調する為にインナーを着用し、お気に入りの白の体の ラインを強調するワンピースを着て、ベルト、イヤリング、ネックレス、指輪 等のアクセサリーを身にまとい…それからいよいよ化粧にとりかかる。決して 濃く見えないように、でも男性の部分は完全に消さなければならない…彼女は 時間をたっぷりかけて、完璧な化粧を自分の顔に施したのである。髪は自毛で セミロング、女性用のヘアスプレーをした後丹念にブラッシングする事により 光沢のある美しい、ウェーブのかかった髪が蘇った。爪にはルージュと合わせ て薄いピンクのマニキュアとぺディキュアを塗り…耳たぶと細い首すじにお気 に入りのブルガリのパヒュームをつけ…・ワンピースに合う白に金色の短いチ ェーンがワンポイントとなっているハイヒールを履くと…・そこには完璧な女 性の”水島あゆみ”が立っていたのである。東京はやはりN市より少し肌寒い との事でその上に彼女は薄手のコートを羽織った。もう後は新幹線が東京駅の ホームに到着するのを待つばかりである。彼女は、自分の胸の鼓動が徐々に大 きくなっていくのを感じていた…・それが彼女の心臓の音なのか、それとも新 幹線のレールを走る音なのか、彼女にも良くわからなかった…・それと、彼女 は前の部分が濡れている事に気がついていた…・ "ああ、いよいよだわ…私、ドキドキしてる…・でも、絶対大丈夫、あゆみ、自 信を持たなきゃだめよ、いい…・?…・それと、ああ…・なんかあゆみになる とエッチな気分になってしまう…前が少し濡れてきて…・だめよこんなとこで…" そんな風に自分に言い聞かせているあゆみがそこにいたのである。


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