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第1章:"プロローグ"

水島あゆみ、24歳…・"あゆみ"は、彼女の・・・女性としての・・・名前である。 彼女は静岡県のN市で暮らしている。仕事はアパレル関係・・ンジェリーから アウターまで扱っているレディースショップの店員として忙しい毎日を過ごし ている…彼女は戸籍上の性別は男性、しかし女性の下着・衣服に強いあこがれ を持ち、普段も職業柄、男性のスーツ・ネクタイなどは着用する必要も無い事 から、できるだけ中性的な格好で自分の生活をエンジョイしている。ブラウス などはほとんどが女性物を着用しており、下着なども女性物を好んで身につけ ている。その辺は、店の商品で気に入ったものがあると、原価に近い値段で、 親戚の女性とか彼女へのプレゼントなどと理由をつけて譲ってもらえるから… 容易に手に入れる事ができたのである。時々、夜一人、残業で店に残っている 時などこっそり気に入った女性のランジェリー、アウターなどを試着しては一 人鏡に向って楽しんでいる事もあった。又、外出先から自宅に戻ると、時々彼 女の中の女性としての部分が前面に出てきて、"あゆみ"になりたいという欲求 が彼女の心をくすぐり、その欲求に自然に応えるかのように、自分のお気に入 りの美しい女性の下着、衣服に身を包み、完璧な化粧をほどこし…・どこから 見ても女性としか見えない…もう一人の自分、水島あゆみが誕生するのである。 もともと体毛はかなり薄いほうだが、それでも日頃からきちっと手入れをして いた。身長は160cm、男性としては小柄、逆に女性に変身するには最適の 身長かもしれない。 体重は48kg前後、すらっと伸びた足がボディコンのミニから眩しそうに輝 いている。恐らく街を歩けばまず10人中10人の男性が振りかえり声を掛け たくなるであろう。 もちろん胸は出てないが、パット等で補正する事により完璧なボディが誕生す るのである。ウエストは力の強い男性にきつく抱かれると、華奢で折れてしま いそうな…そんな男性にとって魅力的なボディを備えていた。顔は、美人系の ちょっと派手な、はっきりした顔立ちであり、髪はセミロングでウェーブをか けている、もちろんウィグでは無く自毛である。太ももからヒップにかかるラ インも男性とは思えない丸みを保っている…・恐らく日頃から女性として、い や女性的に生活している事により、彼女の体の中のホルモンの分泌がいたずら をして、そういう女性的な体型を彼女に与えているのであろう。そんな美しい 女性にいとも簡単に変身してしまうあゆみであった。 また、彼女にとって、水島あゆみでいる時がもっとも安らげる、幸せな時間で もあった…・ しかしながら、彼女にとってあくまで恋愛対象は"女性"、そう、美しい女性… 例えば藤原紀香みたいな目鼻立ちがはっきりした女性が好みであり、そういう 女性に対して強い憧れを持っていたのである。彼女は、そういう思いが、”私 はあくまで異性装を好むだけの男性、心は普通の男性と同じように美しい女性 を好きになる気持ちを持っている=私は普通の男性と同じように女性が好き、 従って何人かの女装者が心が女性化していくうちに女性として男性を好きにな る、男性に愛されたい、という気持ちを持つのとは私は違う"という 方程式を勝手に自分の頭の中で組立てていた。しかし、彼女がみる夢は、その 夢の中でのあゆみにとっての恋愛対象は必ずといっていいほど男性だったので ある… だから、彼女は、いくら自分の中でそういう方程式を持っていても、どこか心 の中ではある矛盾を感じていたのである。 ”私は決して同性愛者でもないし…・女装していても女性が好き、美しい女性 に憧れるし…なのになぜ?…なぜ夢の中のあゆみはいつも男性が対象になるの …・?" そういう疑問をいつも胸に秘めて生活していたのである…・ そう、もう答は簡単であろう…・彼女があくまで恋愛対象だと思っていた美形 な女性は、実は男性の部分のあゆみが持つ恋愛対象では無く、女性としてのあ ゆみが持つ同性への憧れ、"ああ、私もあんな風に綺麗な女性になりたい"とい う気持ちから生まれていたのである。宝塚のスター、あるいは女性タレントに 若い頃多くの女の子が引かれる…そう、あの気持ちに近いのだろう。従って、 彼女もまだ気づいていないが、あゆみの本当の意味での恋愛対象、異性への恋 愛対象としては…・あゆみは綺麗な女性になりたい=あゆみは女性=恋愛対象 は"男性"となるのである。それが、彼女もまだ肯定する前に、夢に正直に現れ ているのであった…・ もちろんそういう美しい女性とのつきあいも可能かもしれない。しかし、それ は女性としての"あゆみ"と"女性"が奏でる美しい同性愛の世界になるのであろ う。 そんな潜在的な意識が日を追うごとに大きくなり、彼女の中にも最近微妙な変 化が生まれてきた…・ ”ああ…・最近何か変…・時々私は思うの…・素敵な男性と手をつないで海辺 を歩いたり…素敵なレストランでお食事したり…・・太い腕を腕枕にして横に なって甘えてみたり…・そして優しく…・ああ、いや、そんな変な事考えたり して…・どうしちゃったのかしら…私が女装するのはあくまで女性の服、綺麗 な服・下着への憧れだけであって、ホモでもないのだから男性にそんな気持ち 持つはずないのに…・・" そう、多くの女装の人間はよくここで大きな錯覚に陥るのである。私は同性愛 者ではない、だから男性を好きになるのはおかしい=嫌=不潔、と考えてしま う。しかし、それは大きな間違いである。もし彼女達が普段の男性の格好で男 性にそういう気持ちを抱き、あるいは男性とそういう行動、行為を持ったとし たらそれは同性愛かもしれない。しかし、彼女達はあくまでもう一人の別の自 分になった時、そう、彼女の場合も"水島あゆみ"という女性になっている間そ ういう気持ちを抱くのである。従ってそれは同性愛とは違うのである。なぜな ら、彼女達はその時間、自分を"女性"として見ているから…・女性である自分 が男性を好きになる、極々当たり前の気持ちである。もちろん、どんなに女性 化していっても、異性装を楽しんでいても、決して恋愛対象が男性にはならな い女装者も数多くいるだろう、それはここでは否定はしない。ただ、その中に 恐らく彼女、"水島あゆみ"のように自分の気持ちにまだ気づいていない、いや、 その世界に踏み込むのを潜在意識の中で躊躇している女装者も多くいるのでは と考える。そういった女装者達の中で、その違い、自分の気持ちに早く目覚め た者だけが…・自分の気持ちに正直に…・次の大きなステップを踏み出す事が 出来るのであろう・・・ その瞬間が彼女にも近づいてきているという事をまだ、"水島あゆみ"もこの時 点で気づいていなかったのである…


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