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第2章 検査(60%)

 短大生活も半分を過ぎ、女の子としての生活もすっかり板についていました。 半ば強制的に女の子の格好をさせられ学校に通っていた当初は、出来るだけ中 性的な格好を好んでしていました。コスメや衣服のお買い物をする時も、店員 さんの視線を気にしていて、ショッピングを楽しむ心境ではありませんでした。 でも、今では女の子のお買い物を自然に楽しめるようになっていたのです。そ のお蔭で僕のおサイフの中はいつも北風が吹いていました。 「めぐみ、食事はそれだけ?」 「そうだよ。」 「ダイエットでもしてるの?」 宮崎智美が、注文した学食のラーメン定食をトレーに載せて向かいの席に座わ りました。定食はラーメンに餃子と半ライス、そしてミニサラダなのです。が、 よく見ると別に購入したと思われるヨーグルトがトレーには乗っていました。 「別にダイエットしているわけじゃないけど・・・」 僕はコロッケパン一つに200mlの牛乳パックだけだったのです。 「もしかして、金欠病?」 「あはは、大当たり!」 「アクセサリーや洋服を買いすぎるのよ。めぐは」 「・・・ちょっと反省してます」 「私よりアルバイトで稼いでるんだから、懐は暖かいハズなのにね」 「他にも、いろいろとお金が掛かるのよ・・・」 「あぁ、ホルモンとか?」 「うん、智美と違って僕はお金がかかるからね」 「そっか、私はタダで自然分泌されるからなぁ」 「そうそう、羨ましいよ」 女性ホルモンの投与を始めてから三ヶ月が経っていました。今ではプレマリン 1.25rを1日3回に加えてプロペラ5rも同じように併用していたのです。 「でも、めぐ、すごく綺麗になって来てるわよ」 「そう?」 「肌のツヤもなんだか透明感が出て来てシットリしてる」 「うん、女の子の肌に変わって来てるみたい。でも、敏感肌なのかな?すぐに  被れたりするんだ」 「気をつけないとね。お肌の手入れとか・・・それに・・」 「それに?」 「オッパイも膨れて来てるし、笑」 「あは、すぐに智美のバストを追い越しちゃうかもね」 「うー、憎らしい。私にもホルモンを頂戴!」 「駄目ーっ!」 「じゃ、その胸を」 智美がふざけて僕の少し膨らんだバストを掴もうとしたのである。 「いたぁい」 冗談では無く身体に激痛が走ったようでした。 「えっ?そんなに痛いの?」 「うん」 「そうなんだー。女になるのも大変ね」 確かに思ったより、女性ホルモンは僕の身体に影響を与えていました。ホルモ ン投与を始めてから1ヶ月はあまり実感が無かったのですが、一ヶ月を過ぎる 頃から胸が膨らみだして、乳首も敏感になりました。寝る時にはブラを外して いるのですがアンダーシャツと擦れてヒリヒリするのです。 オナニーをしても以前のように勃起もしなくなり、殆ど精液も出なくなりまし た。もっとも、今ではオナニーをする気もしませんが・・・。 それでも、ホルモン投与を続けているのは、女の子に変わっていく自分の身体 が嬉しかったのだと思います。 「最近、ちょっと不安かも」 「・・・・」 「自分がどうなってしまうのか・・・」 「愛さんに相談とかしたの?」 「うん、いつもアドバイスはもらってるけど」 「で、なんだって?」 「正常な変化だって・・・、でも・・」 「でも?」 「病院に行って検査はしなさいって言われた」 「それって、よくないってことなの?」 「やっぱり、身体には悪いらしいよ。無理やり女に変えるんだからって」 「そうかー」 「愛さんから病院は紹介してもらったんだけど」 「行ってないの?」 「だって・・・病気でもないのに・・」 「駄目よ。私も一緒に行ってあげるから、行きましょう」 「うーん・・・」 数日後、僕は智美に付き合ってもらい愛さんに紹介された病院に行きました。 婦人科の待合室で30分は待たされていました。男性は僕の他には付き添いで 奥さんと一緒に来たのでしょうか、一人居心地が悪そうにそわそわしているサ ラリーマン風の人が居るだけでした。 もっとも、僕はコーディロイのミニスカートにノースリーブのタンクとハーフ ジャケットの出で立ちで、すっかり女の子をしていましたから、サラリーマン の人は男が自分一人だと思っていたに違いありません。 「深山さん、深山恵さん・・5番の診察室にお入りください」 この時ばかりは自分の名前が「めぐみ」という女みたいな名前でよかったと思 いました。明らかに男だとわかる名前で呼ばれたら、顔から火がでたことでし ょう。 「めぐ、呼ばれたわよ」 「わかってるよ・・・・」 僕は意を決して5番と書かれた診察室のドアをノックしました。 「失礼します」 「えーっと、深山恵さんですね」 「はい」 「じゃ、そこにかけて」 「はい」 勧められた椅子に腰掛けて先生の質問を受けました。どちらかと言うとカウン セリングのようなもので、僕は自分の過去と現状を細かく説明したのです。 「じゃ、上半身を脱いで、衣服はその籠に入れて」 「はい」 ジャケットとタンクトップを脱ぎ上半身ブラジャーの姿となったのです。 「それもだよ」 「あっ、はい」 ブラを外すと少しだけ膨らんだ少女のような胸が先生の前に曝け出されたので す。膨らんだ胸を人に見せるのは初めてでした。羞恥心が僕の中に芽生えてい ました。先生は何の感情も見せずに僕の膨らんだ胸を触りだしたのです。 考えて見れば、毎日何人もの女性の胸を診ているのですから、そのたびに欲情 してたのでは仕事ができるわけがありません。それでも、僕は胸を男性に触ら れることに恥ずかしさを感じてしまいました。 「少し、シコリが出来ているね」 無造作にシコリを揉み解します。 「痛っ」 思わず声を出してしまいましたが、先生は無視するかのように診察を続けるの です。 「乳首は少し大きくなっているみたいだね」 そう言いながら、今度は乳首を摘んだのです。 「はい」 痛いのを我慢しながら答えました。 「いいよ。服を着て」 「はい」 「シコリが出来ないように、自分で揉み解しなさい」 診察は思ったより早く終わってしまいました。この後、女性ホルモン投与によ る症状や注意事項をいろいろ聞かされました。血栓症(特に深部静脈血栓)、 乳癌、肝臓障害、悪心、倦怠感、頭痛、抑鬱、計算能力の低下、貧血(女性ホ ルモンには赤血球の産生抑制作用がある)、打撲や注射時などの皮下出血など など、人によって状況は異なるようです。必ず起きる症状として男性機能の喪 失を言い渡されました。今でも精子は出ないし勃起もしませんが女性ホルモン の投与をこのまま続ければ、止めても機能は回復しないとのことでした。 男の子として過ごしていた頃と比べ、女の子でいる自分に自然体を感じていま した。居心地のよい自分を見つけたのです。男に戻ることなど少しも考えてい ませんでした。 この後、血液検査の為に採血を行い僕と智美は病院を後にしました。


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