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第4章 アルバイト

結局、大学の健康診断は僕の変わりに宮崎智美が受け、大学登録の手続きミス を訂正する機会を失ってしまたのです。そして僕の女子大生としての生活が始 まってしまいました。姉にこの話をしたら「協力者ができて良かったじゃない」 などと言うではないですか。智美がいなかったら姉が変わりに受診しようと思 っていたようなのです。すなわち、姉は僕が女性として大学に登録されている 事をはじめから知っていて入学式に、あのような格好をさせ行かせたようなの です。 「めぐみはもうバイト先を決めてるの?」 昼休み、大学のキャンバスで智美が僕に尋ねてきました。 「バイト?」 「そう、大学生活をエンジョイするにも先立つものがないと」 「考えて無かったけど・・・・」 「もしかして、めぐみの家はお金持ちなのぉ?」 「いや、父親は普通のサラリーマンだよ」 「じゃ、夏休みのレジャー費はどこから作るの?後三ヶ月もないわよ」 「夏休みの事まで考えて無かったよ」 「美鈴と沖縄に行こうって話をしていたの。めぐみも誘うって」 「・・・・三人で?」 「そうよ。人数が多いと面倒だし、二人だと少し寂しいでしょ?」 どうやら、智美と美鈴は僕の事をまったく普通の男性と認識していないような のです。確かに普段から女性の格好をしている上に、入学式の日の出来事を考 えると、今更、僕は男だ!と言っても説得力は無いように思います。 「ねぇ、行くでしょ?それとも予定が他にあるの?」」 「特に予定は無いけど・・・・」 「じゃ、決まりね。良かったは、美鈴には必ずめぐみを誘うって言っちゃたの」 「おいおい」 「そおと決まれば、やっぱりバイトをしないとね」 「・・・・」 「講義が終わったら私の家に来ない?一緒にバイトを探しましょうよ」 「うん・・・」 智美のマンションに着いたのは午後4時を少し回った頃でしょうか。リビング のテーブルに向かい合って、それぞれ購入した求人案内の雑誌を眺めていまし た。 「なかなか、良い条件の物ってないわね。そっちは見つかった?」 「ないね、時給が高いと思うと場所が遠いいし」 「そうそう、水商売だったり」 「家庭教師をする頭はないし・・・・あっ、これは?」 「なになに?・・・コンパニオン募集」 「あのさーっ、女性だけでしょ、それって」 「この際、しかたないわよ。でも昼日中大勢の前じゃ恥ずかしいわね、笑」 「その前に僕は雇ってもらえないでしょ」 「あっ、これは?フロアー係り、時給も良いわよ」 「本当だ、時間も相談可能だね」 「善は急げ、電話してみるわね」 「・・・・・・・」 「はい、二人です」 「・・・・・・・」 「はい、じゃぁ、明日4時にお伺いしますので宜しくお願いします」 「・・・・・・・」 「失礼します」 「どうだった?」 「明日、4時に面接に来てくれって、丁度、二名募集しているって」 「フロアー係りって具体的に何をするんだって?」 「パブだから、食事やお酒を運ぶんじゃないの?」 「ノーパン喫茶のウエートレスじゃないよね」 「ここに、男女募集って書いてあるじゃない。そんなんじゃないでしょ?」 「それなら良いけど、馬鹿に時給がいいから心配だな」 「めぐみって臆病なのね、笑。女の私が行くっていってるのに、変なところ だったらやめて帰りましょうよ」 「わかった・・・」 確かに女性の方がこの手のバイトは危険だと思いました。男性の僕がウジウジ 悩んでいるのは情けない気もしたのです。
翌日、僕と智美は指定された時間の5分前にそのお店の前にいました。お店は 大通りに面したビルの5Fです。いかがわしい路地裏ではなかったので少しは 安心していたのですが、雑居ビルの中にはいくつものクラブやバーがお店を出 しています。 「行きましょ!」 智美に促され狭いエレベータに乗り込みました。お店の名前を確認し5Fのボ タンを押すと扉が閉まりゆっくりとエレベータは上昇しだしました。僕はなん だかドキドキして緊張していたのですが、智美はニコニコしてるではありませ んか。 「智美は緊張しないの?」 「なんで?」 「ニコニコしてるから、楽しそうに・・・」 「だって、学生の時だけよ!いろいろとアルバイトできるのは。楽しまないと」 「そりゃそうだけど、少し緊張してきた」 「めぐみ、バイト初めてなの?」 「うん」 「あらあら、箱入り娘ね(笑)」 そんな事を話している間にエレベータは5Fに到着し扉が開きました。すぐ前 に、また、扉があり壁には”MILKY PUB”の看板が取り付けてあった のです。 「ここだわ」 智美は何の躊躇もなく扉を開けると中に入って行くのです。僕は慌てて彼女の 後に続きました。 「すみません!」 部屋の中は窓が全て塞がれスポット照明だけの為、薄暗く感じましたが壁の絵 やソファーの感じが照明とマッチしており豪華な印象をあたえています。 今は準備中で人が居ないからでしょうか、店内は思ったより広く感じられまし た。50名程度は入れると思います。入り口の近くにはカウンターもあり7, 8コの椅子が床に取り付けられていました。 「はい」 カウンターの中に居た男性が私達に気付くと、入口の所まで歩みよって来たの です。歳の頃は40代前半でしょうか、背が高く体格の良い男性です。 「昨日、お電話した、宮崎ですが」 「あぁ、お待ちしてました、私は店長の草部です。こちらにどうぞ」 僕達は比較的明るい位置にあるソファーに連れて行かれました。 「どうぞ、お座りください。履歴書はお持ちですか?」 「はい」 僕と智美はバッグから昨日書いた履歴書を取り出し店長に渡しました。店長は 二人の履歴書を見ながら・・・ 「国際短期大学の学生さんですか?学生証は今日、持っています?」 「はい」 「ちょっと拝見・・・」 「・・・・・・・・・」 「まだ、18歳ですか。20歳以上じゃないとね、一応、夜の商売だから」 「そんなぁ!ダメなんですか?」 「形式的にはね、履歴書を書き直してくれるかな?」 「はい」 話はもっぱら、智美が主導で行われ、僕は横で他人事のように聞いているだけ でした。細かい条件等をいろいろ確認し話は大体終わると、その場で雇って貰 えることになりました。 「じゃ、これにサインをしてください」 僕と智美は一応書面に目を通しサインをしました。 「君たち、この関係の仕事は初めてだよね、もし、良ければ、今日は実地研修 と言うことで今からいろいろと説明をしておきたいんだがどうかな」 「いいよね。めぐみ」 「うん」 「良かった、突然、女の子二人に辞められて困っていたんだよ」 「そうなんですか」 店長は席を立つと奥に行き、両手に衣服を抱えてすぐに戻ってきました。 「これに着替えてくれるかな、ここの制服のようなものだよ」 僕に手渡された制服は明らかに女性物だったのです。 「あのぉ、これスカートです」 店長は一瞬、怪訝そうな顔をしました。 「そんなに露出していないから大丈夫だよ、ロングスカートだし」 「そうじゃ無くて、僕は男なんです」 「えっ、学生証には女性って、それにどう見ても・・・男には見えない」 店長は唖然として声を失ってしまったようです。 「めぐみ、いいじゃない。そんな細かいこと」 「細かいことって、僕は男性フロアー係りだと思って聞いていたんだよ」 「どんな格好でもバイトの時給は同じなんだから、男なんだから気にしないの」 「男だから気にしてるんでしょ」 「これは失礼したね、てっきり女性だと思っていたものだから」 「・・・・・・」 「でも、うちは男性フロアー係りは雇ってないんだよ、悪いけど」 「ほら!女性として働きなさいよ!めぐみ」 「そんなこと言われても・・・・・」 「ここは、バーやクラブと違って触られるわけじゃないから、君が男性だなん てわからないよ」 店長も僕を女性として雇いたいような口振りなのです。 「照明も暗いしな。笑」 「そうそう、一人じゃ寂しいから一緒にここで働こう!」 「・・・・・・・・・」 「めぐみが働かないんだったら、私もここでは働かないわ。その代わり、バイ トはめぐみが私の分もさがしてよね!」 「・・・・わかったよ、ここで働くよ」 「じゃ、・・・奥で着替えて」 ドアを開けて部屋に入るとそこには四畳半程度の狭い部屋がありました。僕が 部屋の中をキョロキョロと見回していると智美はすでに衣服を脱ぎ下着姿にな っているではないですか。 「おいおい」 「何してるのぉ、めぐみも早く着替えなさいよ」 完全に僕を男として認識していないようです。仕方なく僕も渡された服に着替 え始めました。 衣装は絹のような生地で出来た薄いロングドレスでした。ノースリーブですが 首の所はゆったりと開いた感じでギリシャ神話に出てくるような感じです。 スカーとの部分は確かにタイトなロングドレスなのですが歩き易いように左側 に大きなスリットが入っています。確かに動くには便利だと思いますがチラチ ラと太股が見えてしまうのです。 「なんだか、めぐみの方が似合ってるみたい」 「また、冗談を・・・」 「本当よ、衣装の作りなのかウエストもくびれて見えるし、バストだって」 突然、智美が僕のバストを触ったのです。 「ないか(笑)」 「なにするんだよ」 「ちょっと確かめて見たくなったのよ。もしかしたら、膨らんでるんじゃない かと思って(笑)」 「ここが立ち位置、お客様が呼ばれたらすぐに行くように、声は通らないから 仕草で察して行動に移すように。試しに私がお客になるからやってみて」 そう言うと店長は離れたソファーに座りこちらに向かって手を上げたのです。 僕は慣れないハイヒールで側まで行き丁寧にお辞儀をしました。 「なにかご用でしょうか」 「ちがうちがう、ご用でございましょうか!」 「はい」 「それにその立ちん棒はだめだ。お客様の目線より下になるように。もう一度」 「ちがうちがう、そんなウンチングスタイルじゃなく、カーペットに跪く!、 座る位置も、もっとお客様の近くに寄らないと、お店の中は話し声で聞き取れ なくなるから」 「ずっと良くなったが、やっぱり堅いな、もう少し、バリアーを捨てないと駄 目だ、良かったら触ってください!くらいの感じでお客様には接すること」 「はい」 少し、僕と智美はこの仕事を舐めていたことに気がつきました。お客様に楽し んで頂けるように気使いをする必要があり、そのノウハウは奥も深いようなの です。 「お客様が隣に座るように仰られたら断らないように、しかし、長い間、座る 事の無いように、タイミングを測れないと、ずっと座っていることになってし まうから、どうしても駄目な時は目で合図をしなさい」 「はい」 「お嬢さん、隣で休んで行きなさい」 ソファーにもたれた店長は、水割りを作り渡そうとする僕の手を取り、引き寄 せたのです。 「あっ、はい、じゃ少しだけ」 「もうここは長いの?」 「いえ、今日がはじめてなんです」 店長は僕の太股に手を置いてきました。 「やっぱり、お小遣いが欲しいから、こんなところで働いているのか?」 「そんなに、報酬は良くないですよ。笑」 腿の上に置かれた手はスリットの中に入ろうとします。 「なんなら、お店の後、一件付き合わないか?チップを弾むぞ」 「すみません。今日はちょっと・・・用事があるの」 スリットから進入した手は僕の内腿まで到達してしまいました。 「駄目!」 「う〜ん、会話はまぁまぁ・・だが、拒否するのが遅いな、これではお客様に 恥をかかせる事になってしまう。腿の上に手を置かれた時点で払い除けないま でも自分の手を添えて変な所に移動しないように防御しないと」 智美は人ごとだと思ってか関心して頷いていました。 「私はめぐみがそのまま、アヘアヘ言うんじゃないかと心配でした。笑」 「じゃ、次ぎは、ともちゃん」 店長はすでに僕の事を”めぐちゃん”智美の事を”ともちゃん”と呼んでいま す。 店長は智美を相手に同じように会話を始めました。智美の後ろに手を回し、店 長からは遠い側の脇の下からバストを触ろうとしたのです。 「駄目!」 そう言うと智美はバストの近くまで来ていた店長の手をパシッと叩いたのです。 「おいおい、こういう時はもっとお客様の方を向いて手が届かないようにする んだよ」 「こうですか?」 智美が座っている角度を店長の方に向けると後ろから回している店長の手は届 かなくなってしまいました。お客様からすれば、自分の方を向く形になるので すから文句の付けようは無いそうです。 「おはようございます」 「おはよう」 入って来た女性に向かって店長が答えたのです。僕たちは頭を下げて挨拶をし ました。 「この娘達は今日からここでバイトをして貰うから面倒をみてあげてくれ」 「はい」 「宮崎智美です」 「深山恵です」 「ともちゃんにめぐちゃんね、飯田愛です。よろしくね」 「よろしくお願いします」 「・・・・・・」 「どうかした?あいちゃん」 「・・・失礼、めぐちゃんって男性よね」 「よくわかったね、笑」 「だって私だって、笑」 「そうだった、あいちゃんも昔は、付いていたんだったな」 「そうそう、今は無いけどね。笑」 「えっ、愛さんって男だったんですか?」 智美は目を輝かせて尋ねるのです。 「そうよ、笑」 「凄い美人・・・めぐみも頑張れば、愛さんみたいに成れるわよ」 「あのなぁ、智美!」 「めぐみさん、手術する時は言ってね、良いところを紹介して上げるわ」 「はい」 「はい、だって、笑。やっぱりその気だったんだぁ!」 「うぅっ」 「もう、こんな時間かそろそろ準備をしないと、二人とも頼むよ」


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